テレビ・新聞・出版就活に求められる英語力(TOEICのスコア目安/海外希望者など)

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就活においてどんな業界にも共通して求められる能力の一つが【英語力】ですよね。

マスコミ業界もその例に漏れず、ほとんどの会社のエントリーシートで、TOEICのスコアの記載欄があります。

一見、英語を頻繁に使うような仕事のようには見えないかもしれませんが、「倍率が高いから英語も必須要素になるのかな・・・」「じゃあTOEICもある程度上げておいがほうがいいのかな・・・」と色々悩ましいところではあると思います。

今回は、そんなお悩みにお答えするために、「マスコミ就活では英語力はどの程度求められているのか」そして、具体的に「TOEICで必要とされるスコアはどの程度なのか」ということについてお話ししていきたいと思います。

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英語力は二の次、三の次

結論から申し上げると、そもそもマスコミ就活において、「英語力はそれほど重要ではない」と私は考えています。

正確に言うと、「できるに越したことはないけど、それよりも重要な要素が無数にある」といったところでしょうか。

なぜかというと、英語力は一つの武器にはなるかもしれませんが、マスコミの仕事の本質とは全く違うところにある力なので、英語力“なんか”よりも、マスコミ人としての資質があるかが遥かに重要というわけです。

極端な話、世界のあらゆる言語を使いこなすスーパー人材だとしても、取材が全くできなかったり、番組の企画が全く出せなかったり、日本語の文章が全く読んだり書いたりできないようであれば、マスコミの仕事の本質的なことは何もできないわけです。

その一方で、英語力が皆無でも、取材力や文章力、企画力、人脈、情報のアンテナなどがしっかり備わっていれば、マスコミの仕事の最重要な部分をおさえられていて、そういう人が業界で活躍しているんですね。

海外の人との関わりが出てきても、通訳を介せばそれで済む話で、英語が話せる人はいくらでも替えがきく一方で、仕事の本質を備えている人は、替えがきかないということです。

だから、よく英語力がある人が人気企業に受かると、「あいつTOEIC高いしな」とか言われがちなのですが(英語力だけで採用してしまう企業もあるかもしれませんが…)、マスコミ業界にいたっては、英語ができるというだけでは受かりません。

一見、英語がペラペラですごそうに見えるから内定をもらってるんだろうと見えるような人でも、ちゃんとマスコミ人としての素質があって内定をもらっているわけです。

ですから、就活までまだ時間がある場合はTOEICのスコアを上げておくのは全然良いと思いますが、そもそもそれほど重要度が高くないということを考えると、ある程度時間が限られてきてからは、もっと他にやるべきことがあるのではないかというのが私の考えです。

海外勤務希望者は……

なお当然ですが、新聞社やテレビ局で海外支局勤務を考えている人は例外です。

実力が評価された上で、英語力がある程度あると認められた人が優先的に海外に派遣される側面が少なからずありますから、必ずしも「英語力は二の次、三の次」とはいえないかもしれません。

まあ、そういう事情を抜きにしても、「海外支局志望」と言っておきながら、英語がまるでできないようでしたら、目標に向かって何も努力をしていない人だと映りかねませんから、きちんと思いを伝えるためにも、ある程度の英語力を持っておくことが、その証明になるわけです。

ただ、繰り返しになりますが、よほど強い海外志向があるわけでなければ、英語にはそれほどとらわれず対策をすべきだと思います。

“一つの武器”にはなる

「英語力はそれほど重要ではない」という前提があったとはいえ、英語力は現代社会で求められる重要な要素であることに変わりはないため、就活において“武器”として使える要素の一つであることもまた事実です。

そして、今、日本の就活市場において、最もわかりやすい評価対象になるのは、やっぱりTOEICなんですね。

英検、TOEFLの方が総合力を見るには良かったりしますが、受験者数が少なかったりで、よほど良いスコアでないと面接官にもピントこないことが多いです。

まあ英検なら1級、準1級などがあればある程度能力が伝わるかもしれませんが、TOEFLにいたっては、例えば「70点持ってます」と言われても、どれくらいすごいのかわからない人の方が大多数ですよね。

一方で、TOEICは、ビジネス英語というジャンルであり、かつ日本の英語試験において最も広く定着している実情があります。こうした事情から、就活における英語力の一番の指標は、TOEICに落ち着いているわけですね。

武器になるTOEICスコアの目安

では、その大前提の上で、どれくらいのTOEICスコアがあれば、評価に繋がるのかというお話です。

これはもちろん企業によって評価基準は異なりますし、私の主観を含んでしまう部分もあるのですが、マスコミ業界においてスコア自体をアピールポイントとするなら、

「TOEIC 900点程度」

というところが、スコア自体で評価されるラインではないでしょうか。

「ちょっと厳しすぎるでしょ」と思われる方も多いと思いますので、もう少しかみ砕いてお話ししていきます。

最初のハードルは「730点」

まず、最初のハードルになるのが、730点でしょうか。

最近は「700点以上」「800点以上」といった感じで100点刻みで言われることも多いのですが、少し前までは、就職、転職市場において、「TOEIC 730点以上」というのは、ある程度英語ができる一つの基準とされていました。

730点、あるいは700点台くらいがとれていれば、「まあ最低限はできるのかな」といった印象くらいは与えられるかと思います。

もちろんESには書いていいスコアだと思いますし、話し方によってはアピールに繋げることもできるかとは思いますが、ただマスコミ業界の場合、語学力は二の次、三の次ではあるので、この得点自体が、特段プラスの評価に繋がるようなものではないと思います。

なお、神田外語大学が紹介しているスコア別の特徴(https://www.kandagaigo.ac.jp/kifl/contents/toeic-score)によると、600点台で「履歴書でアピールができ始めるスコア」だとされています。そして、700点台で「上場企業のうち、約7割の企業は、国際部門での業務遂行に700点以上が必要と回答した」と記載されています。

このような情報から考えると、700点台くらい持っていることで、「まあ最低限はできますよ」と伝えられるスコアといったところでしょうか。

また、TOIEC公式が、「社員・職員に期待するTOEIC平均スコア」というアンケート(https://www.iibc-global.org/toeic/special/job/data.html)を実施していて、これは「どの職種も500点台は最低ほしい」と。そして「海外部門の場合690はほしい」とされています。

このような調査結果から、TOEIC公式は、「就活で人気企業を目指すならスコアは最低でも600点」と公式に書かれているのですが、正直、マスコミ業界に限らず、600、700あるからといって、評価がバク上がりする企業もないし、かといって600を下回ってるから評価が下がるなんてことも全くないと考えてよいでしょう。

800点の壁

次にハードルとなるのは、800点を超えてくるラインでしょう。

ここまでくると、「けっこう得意なんだな」という印象は与えられるかと思います。

先ほども「730点」と刻んだ数字になっていましたが、以前は「860点」というのが、よくハイスコアの基準として使われていましたね。

今は、世間一般で900点以上というのが「ハイスコア」の象徴として扱われる中で、800点台くらいあれば、それに準ずるスコアということで、十分良い印象は与えられるかと思います。

先ほどの神田外語大の分析でも、「英語が強みと言い切れるスコア。外資系企業も含め、800点をもっていれば足切りはほぼない。楽天は800点を社員に条件として課している。海外赴任等で、860点以上を課されるケースもある」とされています。「英語が強みといいきれるスコア」とはちょっと言い過ぎなような気もしますが、ESには当然書いておくべきスコアですし、「英語は得意」なんだなと思われるスコアではあるとは思います。


ただ、「語学力は二の次」であるマスコミ業界においては、「800点」というスコア自体を自分からアピールポイントとして伝えるのはナンセンス。堂々とアピールするほどではないでしょう。

このスコアをとるまでの過程や、どうしてこのスコアをとったのかという理由を説明するなど、アピールに繋げるには工夫が必要だと思います。

実際、私自身の新卒時代は800点台で就活に臨んだのですが、たしかに「英語ができるんだね」と言われたことはあるものの、マスコミ業界では特にそのようなことを言われたことはありません。

本当に英語ができる人はざらにいるし、仕事に直接使うには不十分ですから、やっぱり、ここはしれっとESに書いておくくらいがちょうど良いのではないかと思います。

900点は「ハイスコアの象徴」

やはり900点を超えると、スコア自体が一つの武器として使えると考えてよいでしょう。

一般的にも、誰もが認めるハイスコアと言ってしまって過言はないのではないでしょうか。

例の神田外語大の分析でも、「企業等からみて、極めて魅力的な人材。全受験者のうち、900点以上取得する人は3~4%程度しかいないほど希少。ここまで高いレベルを求めれ来る企業や職種はほとんどいない」とされています。

ここまでくると、さすがに英語力単体としての能力を評価せざるを得ないラインになってきます。「実務で英語が使えそうな人」として評価してもらえるわけですね。

ちなみに、私は社会人になってから900点は取得したのですが、正直、900点をとったというだけで英語がペラペラになったわけでもないですし、英語でのコミュニケーション能力は700点台、800点台のときと大して変わらない実感があります…。実際の業務でもそこまで有効に活用できているわけではないのというのが本音です。ただスコア自体のインパクトがありますから、「英語ができる人だ」とほとんどの面接官に評価はしてもらえると考えて間違いはないでしょう。

私の主観による部分もありますが、多くの企業がざっくりこんな分け方をしているように思われます。

TOEIC対策はどのくらいすべきか

ここまで、「評価に繋がるTOEICスコアの基準」についてお伝えしてきましたが、900点なんてもとから英語が得意だったり、以前から勉強していたような人でないと就活前にとれるスコアではないですよね

ですから、結局何が言いたいかと言うと、やっぱり英語は二の次、三の次で、あまりここにとらわれすぎて、本質的な対策を疎かにしてほしくないということなんです。

TOEICのスコアをあげるには、けっこうな時間と根気が必要です。

ですから、先ほどの基準を参考にしていただき、「もう少しだけ上げておくか」という判断があってもいいですし、「TOEICはもうこれ以上はいいや」という判断もまたあってもいいでしょう。それぞれの状況に合わせて、取り組んでいただけたらと思っています。

そしてその上で一つお伝えしておきたいのは、900点の人はもちろん、800、700点台でも、英語力というものから自分のアピールにつなげようとするなら、「それが仕事にどう活きてくるのか」という点を、しっかり説明できるようにしておくべきだということです。

ただ漫然と獲得した資格はあまり評価されない一方で、明確な目的意識があった上で獲得した資格であれば、十分評価の対象になりえます。

「英語ができると、海外の人に直接取材ができると知った」
「翻訳前の英語の論文を読む必要があると思った」

など、仕事を想定した話ができると良いと思います。実際、英語が使いこなせると、自分でできる取材の幅が広がることは間違いありません。

※参考記事
英語は“できなさ”を盛れ!TOEICは低スコアでもアピールに繋げられる

これらのことを踏まえ、各々どれくらい英語の勉強に時間をかけるのかは、自分の現状の能力、また選考までどれくらいの時間が残っているかという点から、考えてみていただけたらと思います。

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