マスコミ就活に必要な対策として最初に思い浮かぶのが「筆記試験」という方も多いのではないでしょうか。webテストやテストセンターのような学力的な試験だけでなく、時事問題や作文まで課されるというのは、この業界ならではのことでしょう。
とはいえ、筆記試験は、準備の厚さが結果に表れやすい選考の一つといえます。面接が何より大事であることは言わずもがなですが、「用意すれば勝てる」部分があるのであれば、徹底的に備えない手はないでしょう。
その中で、最も対策しづらいのは、作文試験ではないでしょうか。企業によって選考基準が違うのは大前提としつつも、基本的に「差がつくのは作文、その他は足切り用」だということをまずは認識すべきでしょう。
英語や数学、言語、時事など、どれも重要なのは間違いありません。しかし、これらは高得点者なら仕事の面でも優秀だと言い切れるものではないですし、逆に点数が低くとも仕事ができる人はたくさんいるわけで、仕事の優秀さに直結するとは限らないのです。むしろこれらの試験は「どれくらい勉強したか」で点数が左右される割合が大きいため、「最低ラインに満たない人=〈最低限の努力ができない人〉または〈努力しても最低限の水準に達しない人〉を落としたい」というのが、大方の採用担当の考えといえるでしょう。ですから、これらの「勉強しやすい分野」に逃げるのではなく、苦しくとも差が付きやすい作文試験の対策を一生懸命すべきなのです。作文試験をぶっつけ本番で乗り越えられる人は、ごく一部の天才だけです。
この前提で、どんな作文対策をすればよいのか。その一つの解が、
「80点レベルの予定原稿を3つ用意する」
ということです。
作文試験は、何かしらタイトルが与えられ、制限時間のうちに書ききるという試験です。指定のテーマで文章を書くこと自体簡単なことではないですし、まして時間制限なんてものがあったら、原稿用紙を埋めることでさえ難しいのに、ここで周囲より良い答案を作らないといけないのです。
これ、本番になってはじめて何を書こうかと考えているような状態で、対応できると思いますか? 少なくとも私にはまったくできませんでした。
だから、どんなテーマにも対応できる万能な原稿を用意しておくのです。ご自身の印象的なエピソードを軸に、過去問のどんなテーマでもわざとらしくなく合わせられるような答案を練っておくのです。これには、何度も何度も第三者に添削してもらうことが不可欠。知り合いのマスコミ人がいなくても、Googleで検索すれば、有料の添削サービスはいくらでもあります。この繰り返しで、一つでもいいからカンペキな答案をつくっておくことが理想です。
しかし、どんなテーマにも対応できて、かつ中身もカンペキな答案を作るなんて、現実には難しいですよね。だからこそ、タイトルにある通り80点レベルでいいから、3つ用意しておくという結論に行き着くのです。
正直、ほとんどの人がロクな文章を書けない試験ですから、論理構成がしっかりした文章を書けるだけでもある程度上位に位置しますし、その上で“ある程度”おもしろい作文になっていれば、間違いなく高評価で通過できるでしょう。つまり、たかが1時間程度で書かされる文章に求められる水準は大したものではないので、あまり根詰めすぎず、「そこそこいいんじゃない?」くらいのレベルで考えてもいいのです。
そして、「どんなテーマにも対応する」という点においても、”そこそこでいい”のです。やはり一つの答案で100%どんなテーマにもカバーするのは難しい。「ある程度幅広く対応できる答案」でいいから、その分単純に数を増やすのです。3つくらい違う内容で答案を用意しておけば、対応できる幅は相当広くなるでしょう。
もちろん、90点、95点の方が良いに決まっていますし、数も5つ、6つあった方が良いのですが、作文だけに時間を割くわけにもいかない現実を考えると、「80点を3つ」というのが一つの目安となるというわけです。
どんな作文を書けばいいのかということは、こちらの記事でもツボとなる情報をお伝えしています。【作文試験のツボ】予定原稿をつくる上での考え方【新聞・テレビ・出版】。
いずれにせよ、丁寧な準備で、ぜひ余裕をもって本番に臨めるようにしてください。
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