作文試験の評価基準とは【新聞・出版社・テレビ局】

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新聞社、出版社、テレビ局などの就活において欠かせないのが、作文試験対策。

その対策の仕方、攻略法については、こちらに記載しました。

【作文試験】”80点”の予定原稿を3つ用意せよ

【作文試験のツボ】予定原稿をつくる上での考え方【新聞・テレビ・出版】

 

ここで気になるのが、評価基準

実際どのような点が重視され、あるいはどのような点はそこまで重要ではないのでしょうか――。

 

端的に申し上げると、こればっかりは、私も本当のところはわかりません。当然ながら、各社が採点基準や模範解答でも公開しない限り、明言できることはないというのが実態でしょう。

 

しかし、主観を含むことを前提として、経験者としての感覚をお伝えすることはできるかと思います。

今回は、これまで相当数のマスコミ系企業を受け、作文試験で落とされたことのない(面接では何度も落とされていますが!)私なりの目線で、ハードルの低い順に、評価基準として意識すべき点を挙げていきます。

 

①論理構成がしっかりしているか

まずは、その文章が、一つの作文として成立しているかというのが最初の関門となるでしょう。

時間が限られる中で、与えられたテーマに沿って文章を作らないといけないわけですから、そもそも文章として成り立たせることさえできない人も多いのが実態です。もはや、原稿用紙をまともに埋められない人だって少なくないでしょう。

 

そのような試験なわけですから、慣れないうちから「面白い文章をつくってやろう」とまで考える必要はありません。まずは、論理構成がしっかりした文章をつくることを最優先にしましょう。もう少しかみ砕くと、伝えたいこと、結論めいたものが明確になっている上で、そこに向けて筋道が立っていて、読み手にとって理解がしやすいということですね。

話の展開や、場面の順序がバラバラになっていたり、あるいは接続語の使い方がめちゃくちゃだったりしたら、決して理解しやすい文章とは言えません。まずは、読み手がすんなり理解できる、一つの文章として成立させることが、第一関門になるのではないかと思います。

ただ、第一関門とはいっても、この水準さえ満たせていない答案もたくさんあるわけですから、これをクリアするだけでも、他の受験生よりも一歩リードといえると思います。

 

②起承転結があるか

その上で、面白いと思ってもらえるために、中身のある文章にすることを目指しましょう。いくら論理構成がしっかりしていたとしても、何の中身のない話を書き連ねているだけでは、ただただ退屈な文章になってしまいます。

そこで、少しでも意味のある文章にするために、まずは話に起承転結をつけることを意識しましょう。

例えば、自身の部活動での経験を話の軸とするならば、

「入部⇒入部後の生活⇒挫折⇒解決を通しての自身の成長」

といった具合で展開をつくるのです。このような展開がなければ、いくらロジカルな文章になっていたとしても、中身としてはただの部活日記になってしまいますよね。

話の展開の仕方にはいろいろありますが、最も構成しやすく、また読み手にとっても伝わりやすいのが、この起・承・転・結なのです。

 

③人柄や成長力が伝わる文章になっているか

先ほどの「起承転結」の話の中で、「結」の部分の例として、「解決を通しての自身の成長」ということを挙げました。作文試験は、たしかに文章自体を見る試験ではありますが、受験生の人柄、考え方を見ているところも少なからずあります。全くその人に関係のないニュースの論評を書いていても、賢さや文章力、思想のようなものは伝わるかもしれませんが、その人自身のことはなかなか見えてこないのです。

それよりも、自身の経験したこと、身近なことを話題にし、そのときどきで自分が考えたことや生々しい感情が表現されている方が、人物像が見えてくるものです。

さらに、その経験から学んだことや、自身が成長したエピソードが含まれていれば、人柄や考え方が伝わるだけでなく、あなたのこれからの成長幅も示唆することができます。

実は、作文試験といえども、突破さえしたら、書いたことはその後一切関係ないことはありません。最終の面接官まで手元に置いていることもしばしばあるのです。ということは、そこからあなた自身が伝わる文章の方が良いに決まっていますし、さらにそれが自己アピールにも繋がるものであれば、なお良い評価に繋がりうるのです。

 

おもしろいか

最終関門にして、満たしていれば一番強い評価基準は、やはり「おもしろいかどうか」という点でしょう。

作文試験のみならず、面接やESなども、やはり「おもしろい」と思わせたら一番強いのです。面接官側になった経験がある方ならわかると思うのですが、結局、おもしろいと感じた人こそ、採用したい、仲間になってほしいという感情がわいてくるものです。

「おもしろい」とは、なにも「funny」「humorous」「entertaining」という意味だけではありません。「exciting」や「interesting」なども含めての「おもしろい」なわけです。ものすごく端的に言えば、「人と違う何か」がある文章ということになるでしょうか。

クスっとくるような内容でも、ドキドキするような内容でも、あるいは「へ~」と思わせるような内容でも、何かしら「おもしろいな」「ありきたりな回答じゃないな」と印象づける文章にすることを心がけましょう。

 

なお、「おもしろければなんでもいい」というと、それは違うと私は思っています。

①にあるように、論理構成がしっかりしていなければ、もはやそれ以前の問題ですし、何よりそんな文章でおもしろいとは思わせられないでしょう。

②の「起承転結」等の話の展開も、読み手を退屈させず引き付けるには大事な要素です。

③で紹介したように、自身の経験を伝えるということも、より話に深みやオリジナリティが出て、さらに迫力をもって伝えるという意味で、非常に重要です。

つまり、「おもしろい文章」とは、こうした積み重ねによってつくられるものなのです。

私のように、天才肌とは程遠い、ごくごくふつうの人間だという自覚がある方ならば、突拍子もない、奇想天外な文章で奇をてらうのではなく、一つ一つの水準をクリアすることで、あなたなりの「おもしろい」文章をつくれるようになっていただけたらと思っています。

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