早いもので、秋頃からは”翌々年”の人材獲得に向け、企業による説明会も本格化していきます。こうしたイベントでぜひ有効活用したいのは、やはり「質問タイム」でしょう。特に、社員や内定者1人を就活生5~10人くらいで囲み、小規模のかたまりごとに質問させてもらえる機会がよくあるのですが、これは特段の制限なく、かなり近い距離でざっくばらんな話ができるので、うまく自分の就活に活かしていきたいところです。
社員からは、働く上でのリアルな部分や、会社の実態、どんな人が評価されるのかなど、企業が主体的に公表していることの裏側が聞けるでしょう。また、内定者からは、まさに直近の選考でその人がどうやって内定を得たのか、具体的に聞けるわけです。今回は、それぞれの機会でどんな質問をすべきなのか、一つの考えをご提示していきます。
※インターンやOB訪問に関してお悩みの方は、新卒就活でOB訪問、インターン参加は絶必かの記事も参考にしてみてください。
社員に聞くべきこと
まずは社員に対して質問できる場合。
「実際にどんなサイクルで働いているのか」
「どこにやりがいを感じているか」
「どこが嫌だと感じるか」
など、ベタな質問のようですが、「一社員が何を感じながら働いているか」ということは、自分が働くことを想定するうえでも、また実際の選考を勝ち抜いていく上でも、役に立つことでしょう。
ただ、質問できる回数は限られている可能性が高い上、社員も人ですから、一つひとつの質問に対して、「本当に就活生が聞きたいことは何か」と考えながら、毎回的確に答えてくれるわけではありません。
そこで、1つ本質をつく質問を挙げるとすると、
「ここまでこの仕事を続けてきた理由は何?」
ということ。
どんな仕事でも、どんな人でも、辞めたくなる瞬間、そこまではいかずとも嫌になる瞬間はあるはずです。楽で、楽しいだけの仕事なんてありませんから。それでも同じ仕事を続けるのは、必ず理由があるわけです。
「給料が良いから」
「ホワイトな会社だから」
「人のためになると感じるから」
「やっぱり楽しい仕事だと思うから」
色々な考え方があると思いますが、「仕事が嫌になったときでもここに残りたい」と思える要因にこそ、その会社、その仕事の良さの本質が表れているのではないでしょうか。
「本当に体力的につらい」
「プライベートがなくなるくらい忙しい」
それでも
「なんか楽しくてやめられないんだよね」
こういった言葉には、その仕事の魅力が表れているように思うのです。
これは、説明会のみならず、今後面接で「逆質問」の機会が出てきた際も、尋ねてみて良いことかもしれません。ただそのときは、説明会のときのような「参加者=お客さん」という立場ではなく、「選ばれる立場」になっていることには注意しましょう。仕事の本質を知ろうとしている姿勢が良い評価に繋がる可能性もありますが、原則、選考に入ったら、仕事の実態を知ることよりも、アピールに繋がる質問をすべきです。これについては、「逆質問」も大事なアピールタイム! 1次と最終で聞くべきことは異なるも参考にしてみてください。
内定者に聞くべきこと
もちろん気になることがあれば好きなことを聞けばいいと思うのですが、私は、その内定者が実際に話していた「志望動機」と「自己PR」を必ず尋ねていました。
これも一見ベタな質問に見えるかもしれませんが、内定者への質問は、「なぜこの会社を選んだか」「どういう対策をしたか」などの話に寄りがちで、「具体的に彼らがどんな話をして内定を勝ち取ったか」については、意外に話題にあがらないことも多いのです。
私が内定者の「志望動機」と「自己PR」をなぜ聞いていたかというと、「自分の武器としてインプットするため」です。自分の志望動機や自己PRなどを考えるときは、必ず、どこかしらでインプットしたことのある言葉や表現から創り上げていくはずです。完全にゼロから生み出すというのは不可能に近い。
内定者の志望動機と自己PRは、ある意味その会社にとっての「模範解答」ともいえる優れた内容なわけですから、できるだけ多くの人の「模範解答」をインプットして、自分の話す内容にアレンジして取り入れていくのです。
秋以降になると、企業の説明会や、大学の催し、サークルの繋がりなど、企業の内定者と会える機会が増えてくると思います。オリジナリティに溢れる彼らのアピール内容をできるだけ多く取り入れ、自分の言葉にアレンジしていくことが、より良い志望動機および自己PRの組み立て方だと思います。ぜひ、こうした一回一回の出会いを有意義に活用してもらえたらと思います。
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