面接で聞かれる定番でありながら、なかなか答え方に困るのが、
「志望と違う配属でも大丈夫?」
という質問。
「大丈夫です!」と答えたら、「実はやりたい仕事にそこまで強い思いがないのではないか」と思われる可能性がありそうですし、逆に「その部署じゃないとダメなんです!」と答えたら、それはそれで「頑固で柔軟性がない」とみなされて、「その部署以外に配属できなそうだから採れない」となってしまいそうな気もします。結局、誰にも、どんなシチュエーションでも当てはまる正解はなさそうです。今回は、こんな質問にどう答えていくのか、考えていきたいと思います。
面接官の意図を見極める
この「志望と違う配属でも大丈夫?」という質問、一番どこに難しさがあるのかというと、相手がどういう意図で聞いているのかがわからないという点でしょう。
明らかに「あなたのこだわりを見せてほしい!」という意図で聞いてくれているのがわかれば、「どうしてもこの部署のこの仕事じゃないとダメなんです!」という熱意を見せるのが正解。
一方で、文字通り「ほかの部署に配属する可能性もあるけど大丈夫かな」という意図だったり、あるいは「志望してくれている部署に空きはないから別の部署で採っても大丈夫かな」という意図だったりした場合は、それでも問題がない姿勢をしっかり見せるべきです。
まずは相手がどちら側の回答を期待しているのか、それまでの流れからしっかり汲み取る努力をしましょう。用意していた決まり切った答えで乗り切れる質問ではありません。というより、面接の本質はこうした相手の意図を的確に把握し、的確にこたえていくというところにこそあります。マスコミ業界を目指す方なら特に重要な要素です。この質問に限らず、面接官の意図をはき違えないよう、常に集中力を高く保っておく必要があります。
どちらにも好印象な回答を
とはいえ、面接官がどちらの意図で聞いているのかを確実に把握するのは、本当に難しいものです。「ほかの部署ではだめだというこだわりがあるということだね?」と、ある意味誘導している聞き方でも、実は“ひっかけ問題”だったり。素直にとらえていいものだとは限りません。
現実では、面接官の期待する回答がどちらなのかがわからないことが圧倒的に多いことを考えると、どちらに対しても良く映る回答を用意しておく必要があると考えます。
そう考えたとき、ポイントとなるのは、
志望部署へのこだわりはしっかり伝えつつも、他の部署でも頑張れることを前向きに伝える
ということです。
例えば、
「やはり〇〇へのこだわりはすごく持っていますが、自分が実現したいことは□□でも△△など他の部署でもかなえられますし、本質は共通していると思いますから、別の部署で適正を見出していただいたのであれば、ぜひそこで頑張りたいです」
「〇〇でやりたい気持ちは強いですが、そこでしかできないことではないと思っています。またこれまでも、必ずしも希望通りの場所でなくとも、まずはそこで頑張ることで視野が広がり、楽しく良い経験ができました。だから、まずはどこに配属されても、その環境を楽しみ、頑張りたいと思っています」
など。
そして、もし面接官的に「こだわりを見たい」色の方が強そうであれば、最後に「・・・ん~でもやっぱり〇〇で頑張りたいという思いは強いですね・・・」などと添えてみたり、
反対に「柔軟性を見たい」色の方が強そうであれば、最初の「こだわりは強いですが」はさらっと前置きくらいにして、そこまで強調して言わないという工夫があっても良いでしょう。このあたりは、まさに人間力が試されるところです。相手の顔色を注意深く見ながら、話し終わるまで集中して思考を働かせていただきたいところです。
なお、こうした回答だと、どちらにも良い顔ができるという反面、「どっちつかずに映るんじゃないか」と思われる方もいらっしゃるでしょう。ただ私は、ここでどちらかに振り切る回答というのは、やはりリスクが高すぎると思うのです。それに、バランスを重視した上記のような回答をすることで、おそらく大半の面接官は、どっちつかずという印象よりも、「よく考えて配慮の行き届いた回答だ」という印象を持つことと思います。特にマスコミ就活に必要になる、どんな相手にもうまく対応ができる思慮深さを感じさせられるという意味でも、有効なのではないかと思うのです。
一歩間違えれば評価が台無しになりかねないこの質問。自分なりの誠意ある回答を考えてみてください。
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