新卒就活を中心に、面接でつきものなのが「嘘をつくかどうか問題」。
どのくらいまでなら許容されるのか、バレなければ問題ないのか、どの程度の嘘ならバレるのか、そもそも嘘をつく必要があるのか。
今回はそんな疑問にお答えしていきます。
面接の嘘は調べられるのか
前提として、企業それぞれが、独自の採用活動を行っているわけですから、実際に調べているかどうかという、真実の部分はわかりません。
しかし、企業の行動原理を考えれば、また“通説”などから、ある程度わかっていることもあります。
まず、面接中にバレるような浅はかな嘘は論外であるとして、たとえばTOEICのスコアを盛ったとか、ありもしないサークル活動や留学をでっちあげたとか、就活生がよくやりそうな嘘について。
基本的に選考の序盤であれば、ほとんどスルーです。
しかし選考が終盤にさしかかったとき、あるいは内定後にバレるケースはあると考えた方が良いでしょう。
これが何百人という単位の人数を一括採用するような企業の場合はあまり現実的ではないかもしれませんが、そうでもない限り、最終面接で疑惑の確認をしてきたり、内定後に証明書(TOEICのスコア表など)を求めてくる場合もなきにしもあらず。
実際のところ、ここまでやってくるケースは少数で、実際は面接中に論理の破綻なく、また違和感なく突き通すことができれば、基本的にはそのまま信じてもらえるものです。
しかしTOEICのスコアなど、証明書さえ求められてしまえばいくらでもバレそうな嘘は、それによって大したアピールにはつながらない割に、リスクが大きい。嘘をつくにも、コスパを考えるべきということです。
参考:英語は“できなさ”を盛れ!TOEICは低スコアでもアピールに繋げられる
面接で「有効な嘘」
こうしてコスパを考えていくと、バレるリスクが小さく、かつ企業側の印象に大きく作用しうる手法としては、「すでにもらっている内定」で嘘をつくということ。
まず自社の受験者の情報を、採用以外の目的に利用することは個人情報保護の観点から絶対にやってはいけないことですから、いくら横のつながりが深い業界だからといって、そんな漏洩はないと考えていいでしょう。もしあったら、それこそ大大大問題です(ただし同業他社からの中途採用の場合は、話が漏れてしまうことは少なからずあります)。
そのため、たとえば、レベルの高いと思われる企業の内定を既にもらっていると伝えることで、それだけで採用しようとまで思われることはなくとも、ある程度の優秀さのアピール、そして安心して採用できる要素くらいにはなると考えられるわけです(もちろん、実際の面接での印象と乖離があればすぐバレるし、バレなかったとしても落ちるのは当然ですが)。
またライバル企業の内定をもっていると伝えることで、「ライバル企業にとられたくない」「まだうちを受けているということは内定を与えたら確実に来てくれそうだ」などと思ってもらう要素にもなると考えられます。
その意味では、よく聞かれる「他社の選考状況」も、多少の嘘はあってもいいかもしれません。
「この企業を受けているのに、あそこを受けていないのはおかしいと思われるだろうな」など、ある程度辻褄を合わせないといけないことも、現実にはあるでしょう。
あるいは、ライバル企業の選考状況をうまい具合に伝えることで、「それでも御社がいいんです。内定をいただけたらあちらは辞退します」などと熱意を示すことに活用できる可能性もある(本当はライバル企業に行きたいのだろう、と思われるリスクもありますが)。
そういうときは、掲示板などで他社の選考の進み具合もチェックしながら、自分に都合のよい選考状況を伝えるというのも、一つのやり方ではあると思います。
ただし本来は当然NG行為であることは自覚して、矛盾することのないよう細心の注意は払った上で自己責任で行うようにしてください。
嘘をついてまで受かるべきか
もちろんきれいごとをいえば、嘘をついて内定をもらうなんて、いけないことではあります。
しかし、ほとんどの受験者が、大小の差はあれど「話を盛る」「実績を盛る」くらいのことはしているものです。
その中で、ご自身としてどこまで許容できるかという価値観によるのではないでしょうか。
私自身は、
・バレる嘘をつくのは論外
・嘘をつくならカンペキにやり通す
・コスパとリスクと道徳を考え、他者の選考状況の嘘はむしろうまく使い分けるべき
と考えています。
少しでも論理にほころびが出そうという心配があったり、入社した後に後ろめたい気持ちが残りそうだったりしたら、大きな嘘はやめておくのが無難です。
大したことのない嘘ならいいですが、採用に大きく影響しうるような嘘の場合、たとえ内定後もバレなかったとしても、「バレたらどうしよう」という不安をずっと抱え続けることになります。
そんな嘘をつかなくなって、本質的な準備を徹底すれば、誰でも難関企業を突破する力をつけることはできますから。
参考記事:【面接に不安をお抱えの方へ】“凡人”が志望企業に受かるための「面接攻略の全て」