能登大地震は就職面接でどう話すべきなのか

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※本記事は、マスコミ業界を志望する方々に向けて書いています。マスコミ以外の業界を志望している方は、こちらの記事をご参照ください。
【一般業界向け】能登の震災を面接でどう話すか(マスコミ業界以外)

 

元旦の我が国を襲った石川県・能登半島の大地震。こうした災害があるたびに一つ注目の的となるのが、現地入りするマスコミでしょう。

被災者よりも報道優先ととらえられかねないような取材態度だったり、被災地での豊かな食事だったりが、よく「マスゴミ」なんて言葉で批判されます。マスコミ業界への就職を希望する方の中でも、疑問を抱いたことのある方は多いのではないでしょうか。

しかし、そのやり方に是非はあるにしても、災害報道の重要性もまた、皆が理解されるところでしょう。

だからこそ、マスコミ就活に臨む上では、このような「答えにくい質問」こそ、的確な受け答えができるよう、準備しておく必要が出てきます。

まして、これだけの大災害が直近で起こっているとあれば、避けて通れるものとは言い難いですよね。

今回は、実際にマスコミ業界の面接をこれから受ける方に向けて、「災害報道に対する考え方」を問われたときにどのような話をすべきなのかということについて、一緒に考えていきたいと思います。

 

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「取材すべきでない」はNG

「今回の能登大地震の報道についてどう感じましたか」「マスコミが現地で取材することに批判の声があがることもありますがどう思いますか」などという質問を受けたときの心構えとしてまず大前提としたいのは、「取材すべきではない」という考え方はNGということです。

テレビ局や新聞社、取材を行う雑誌を扱う出版社などにおいて、こうした大災害について「取材をしないこと」という選択肢は基本的にはありません。

それは、世の中の「知りたい」に応えるという意味合いもあれば、多くの人の注目が集まるコンテンツだからビジネスに繋がるという意図もあるというのが、実際のところでしょう。

その意義についてはまた後述しますが、いずれにせよ、どの会社も「取材をしない」という選択肢は基本的にとりえないため、「取材すべきではない」「私は取材はしたくない」という答え方は、どんなに筋の通った回答ができたとしても、なかなか前向きにとらえられることはありません。

マスコミ業界に身を置く以上、理不尽な取材をさせられることはたくさんあります。まずはそのような環境でも働いていけるか、多少やりたくないことでも意義を理解し取り組めるかというのは、面接官側にとっては重視しているポイントであり、むしろ大前提としているポイントともいえます。

良いか悪いかは別として、入社してからそのような取材をしないように進む道はいくらでもあります。ですが、入社するためには、あらぬ誤解を招いたり、それを解決するための余計なやりとりを避けたりするためにも、「自分は災害報道全く問題ないです感」を出すのは絶必だと考えるべきだと思われます。

取材をする必要性を説明できるように

その前提で、「どうして取材をする必要があると思いますか」「取材する意義は何だと思いますか」という問いかけにも答えられるようにしておかなければなりません。

これには、様々な切り口があるでしょう。

「今起こっていること」を正確に伝えることは、国民の知る権利に応えるだけでなく、被災した方々の関係者に大切な情報を届ける役割もあるのかもしれない。被災者にとっても重要な情報になるのかもしれない。

被害を伝えることで、個々の防災意識を高め、次に同様な災害が起こった際の被害軽減に繋げられるかもしれない。
報道によって国全体でそのような機運が高まることで、国のインフラ支出強化に繋がるかもしれない。

被害に遭われて亡くなられた方について伝えることも、「数百人が亡くなった一つの災害」ではなく、「1人が亡くなるということが数百回起こった災害」として重みをもって理解することにつながるのかもしれないし、亡くなられた方の人生に思いを馳せる意味もあるのかもしれない。
「心が痛む報道」や「感動をさそう報道」を行うことも、何度も何度も繰り返し報じることも、「風化させない」という意味で大切なのかもしれない。

考え方は様々ですし、マスコミ側の勝手な論理といえる部分もあるかもしれません。ですが、少なくとも、自分が取材する場面を想像し、「なぜ報じるのか」を真剣に考えているということを面接官に伝える重要性は大きいのだと思います。

被災者への取材について

被災地取材において最もつらく悩ましい場面の一つであり、またマスコミが世間から叩かれやすい取材の一つが、被災者との向き合い方です。

センシティブな問題でありながら、重要度の高い取材であるからこそ、面接官から尋ねられる可能性も高いわけです。

特に、「取材に応じてくれないご遺族に話を聞くにはどうするか」という質問。

「時間をかけてお願いする」「誠意を手紙で伝える」「どなたか仲介してくれる人を探す」など、考え方は様々あると思いますが、これは誰しもが正解を持ち合わせているわけではありません。

ときには、「これ以上踏み込んではいけない」という現場判断もあってしかるべきではありますが、こと面接の場においては、求められているのは「どうやって相手の心を開くか」ということへの考え方です。

実際に取材にあたっている記者やTVディレクターでさえ明確な正解は持ち合わせていないくらいなのですから、何も面接官全員を「なるほど!これならたしかに取材に応じてもらえるな!」と納得させるレベルの回答ができなくとも問題ありません。

繰り返しになりますが、重要なのは、その場面を想像して、自分なりに深く考えられていることを、相手側にきちんと伝えることです。

マスコミ側の論理に寄りすぎないように

ここまで、いわば「マスコミ側の論理」ばかりをお話ししてきましたが、やはり忘れてはならないのは、「マスコミが被災地の乗り込むのってどうなの?」「つらい思いをしている被災者に取材をするのってどうなの?」と思うその自然な感覚です。

取材をしなければならないことに変わりはないのですが、向き合う相手が人である以上、人としてまともな感覚を持っている人間でなければ、マスコミの仕事は務まりません。

「結局どっちなんだよ!?」と言われてしまうかもしれませんが、つまりはバランス感覚です。

取材をしないわけにはいかない。だけど、当然最大限取材相手への配慮は必要。間違っても、必要な取材だからといって、被災地で苦しむ人にこちら側の都合を押し付けるような手法をとってはいけないし、少なくとも面接でそのような人間だと思われてはいけないということです。

難しいテーマですから、面接中、答えに詰まっても全然問題はありません。むしろ、スラスラと「マスコミ側の論理」を語れる人物より、取材相手の気持ちを思いやり、一生懸命悩んでいる姿を見せる方が、人間味が伝わるかもしれません。

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ということで、今年のマスコミ就活において避けては通れないであろう「被災地取材」「災害報道」に関する考え方について、お伝えしてきました。参考にしていただき、自分なりの考えを深めた上で、面接に臨んでいただけたらと思っています。

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