自民党の「裏金問題」について面接ではどう話すべきか

スポンサーリンク

「最近気になったニュースは?」という質問は、マスコミ就活に限らず、どんな面接でも定番化しています。

ここでありきたりすぎる話をせずに済むよう、あえてマイナーなニュースに目を向ける受験生も少なくありませんが、その場合、面接官はそのニュースを知らない可能性が高い分、好印象を与えるハードルも高くなってしまいます。

逆に、直近で大きな話題になっていることについては、面接官側から見解を求められることもありますから、やはり皆が関心を持つ大ニュースについては、ある程度の話ができるよう準備をしておくべきでしょう。

そのような前提のもと、今回は、いわゆる「裏金問題」についてお伝えしていきます。

スポンサーリンク

問題の本質を間違えないこと

「パーティ券問題」「キックバック問題」と呼ぶ人がいますが、政治団体が政治資金パーティを開くことは禁じられていませんし、その売り上げの一部が、派閥から政治家個人に対してキックバックされることも、法的に問題があるわけではありません。

何がいけなかったのかというと、「キックバックされたカネを、政治資金収支報告書に記載しなかった」ということに尽きるのです。

大部分が国民の税金によって支えられる政治活動というものは、その資金の出入りを透明化して、国民に明示する必要があります。

今回一つのキーワードとなっている「キックバック」というものは、一見するととんでもない悪事に見えてしまいますが、その出入りをしっかり国民に報告していれば、問題はなかったということなんですね(倫理的な問題は別として…)。

特にニュースを見慣れていない方の場合、こうした話題を“雰囲気”でとらえてしまうことも多いのですが、そうすると、どこに問題の本質があるのかを見失ってしまい、芯を食った受け答えができなくなってしまいます。

逆に言うと、この本質をわかった上でコメントができるだけで、ある程度ニュースはちゃんと見ることができている、という印象は与えられるかもしれません。

知っている感を出す

このような問題を面接で話すとき、よくあるのが「今の政治は信じられない」「クリーンで責任感のある政治をしてほしい」という、政治家糾弾系の回答に走ってしまうことです。

たしかに、本当に「派閥側が大丈夫と言っていたから問題ないと思った」という程度の認識しか持っていなかったり、あるいは「なんとかして裏金をため込みたい」という考えを持っていたりしたのなら、その悪質性は高いと言わざるを得ませんし、そうでなくとも、議員一人ひとりが長年の慣習に身を任せているだけで襟を正す意識が欠けていて、「まあ大丈夫だろう」という慢心が重なって起こったことですから、やはりその責任は重いということになります。

そのため、どんな角度から考えても、政治家の責任問題という側面が大きいのですが、その一方、それは誰でもわかる、当たり前のことだともいえるわけです。

だからこそ、その責任を問うような話をしても、ド正論ではあるのですが、ありきたりなんです。

もちろん、それが悪いというわけではないのですが、限られた時間で自分をアピールしきらなければならない面接の場において、ありきたりな返答はいわば“時間の無駄”。せっかくなら、もう少し気の利いた話をしたいところです。

ですが、この類の問題は、真正面から考えていったら、結局は「悪を糾弾」「責任を追求」という話に行き着いてしまいます。

ではどんな話をしたらいいのか。

当然、一概にこれが正解といえるものはないのですが、一つの手段としては、

「知っている感を出す」

ということでしょうか。

例えば、松野官房長官ほか、「安倍派」幹部を政権中枢から一掃したことが話題になったように、一部の派閥がやり玉にあげられているところもありますが、「岸田派」にも数千万円規模の収支報告書不記載が報道されています。

これを岸田首相は「事務的ミス」「全額残っていて裏金ではない」と強調していますが、これは国民感覚からすると、「そんな言い訳で通るかよ!」という話になるわけです。

こうした岸田首相の責任逃れの一面を指摘することができれば、このニュースを漠然と見ている大多数とは違って、構造的に理解をしていることが伝えられるということです。

あるいは、起訴されるかどうかのラインは検察の裁量にかかっているという実態。

今回は、検察によって「不記載額3000万円」というラインがしかれ、それを上回る議員事務所の会計責任者が立件されるという事態になっていますが、その3000万円というラインは、科学的なデータや、何かの計算式に基づいてしかれた基準ではありませんから、やろうと思えば、もっと多くの会計責任者を起訴することができたはずです。

また、今回立件されることになったのは、池田、大野、谷川の三氏に限られましたが、やっていること自体は他の大物議員も同じなのですから、やりようによっては、「大物議員の大量起訴」ということだって不可能ではなかったはず。

そうなると、選挙によって国民から選ばれた議員の命運が、選挙を経ていない検察という権力の匙加減によって左右されている状態だという見方もできるわけです。

民主主義の観点から適切ではないという考え方もできるでしょうし、社会の授業で習った三権分立の観点からも、その均衡が崩れている事象だという考え方もできるでしょう。

今回の裏金問題は、そのような視点からも問題提起することができる構造になっています。

あるいは、こうした「派閥」という言葉や、「起訴」「逮捕」という言葉を面接で使うには、知識的に不安を覚える方も多いことでしょう。

そのような場合は、「そもそも政治家はなぜ裏金をつくりたがるのか」という素朴な疑問に焦点を当て、自分で調べてみた結果感じたことを話してみたり、またはこれだけの大きな額の不正が長年にわたってバレてこなかったことへの素朴な疑問から、「収支報告書」や「政治資金規正法」そのものの規則の問題について調べてみて、その結果を話してみたりするのも良いでしょう。

スポンサーリンク

切り口は様々だと思いますが、つまりは「単なる政権批判」とは異なる切り口さえ示せれば十分だということです。

もちろん、これが政治部や社会部(今回の捜査の主体は「東京地検特捜部」なので、社会部の特捜担当が日々忙しく取材にあたっています)などの記者を志望しているということであれば、もう一歩踏み込んだコメントが必要になってくるかもしれませんが、そうでもない場合は、上記のように少し視点をずらして「わかってる感」を出すことで、面接官に好印象を与えることができるはずです。

コメント

タイトルとURLをコピーしました