【マスコミ就活】差別化に必要なキーワード「好き」「面白い」

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前回は、マスコミ就活で前提となる“賢さ”についてお伝えしました(【マスコミ就活】”差別化”より重要な”賢く見せる”コツ)。今回は、その先に必要になる“差別化”の重要性についてお話ししていきます。

繰り返しになりますが、マスコミ就活は一定の水準にあれば採用という世界ではなく、「より良い人を残す」という選考の繰り返しであるため、能力に加え個性の部分で差がつく要素が強いといえます。ここでは、そのためのポイントを二つ紹介します。

”好き”や”こだわり”で「〇〇の人だ」と印象づける

就活における個性とは何でしょうか。色々な考え方があると思いますが、私は、“自分ならでは“を、”相手が認識すること“だと考えます。エントリーシートや面接での話しぶりを見ても、選考する企業の人たちは、ほとんどの受験生のことが記憶に残っていないはずです。個々に話されていることのレベルが高かったとしても、面接官がそのエピソード一つ一つまで覚えているケースは少なく(選考の終盤になってくると別だと思いますが)、基本的にはその人の全体の様子や印象でしか判別できないことと思います。

だから、「〇〇の人ね」と一言で言い表せるように印象付けるのです。自分が「とにかくドラマが大好きです!」と言い続けても、面接官が自分に対して「ドラマの人」だという印象を持つかどうかは別の話ですし、むしろ難しいでしょう。自己満足に留まらず、面接官がそう思うことが大切です。

例えば、「ハーバード大学出身」「数学オリンピック出場経験あり」「東京六大学野球優勝」など、華々しい経歴があれば、それだけで強い個性になるでしょう。そういう方々は、「ハーバードの子ね」「数学の子ね」などと、面接官の間で呼ばれているはずです。

では、そうでない人たちはどう勝負すればよいか。それは、ご自身の「好き」または「こだわり」を力強く伝えていくことです。誰よりも好きなこと、他の人にはないこだわりポイントが、誰しもきっとあるはずです。なくても、ひねり出すか、あるいはつくってください。就活においては何のアピールにもならなそうな「みかんが好き」だって、日本中、あるいは世界中の品種を知っていれば、それは強力な個性になります(「マツコの知らない世界」でも特集されていましたね)。それに、「みかんの魅力を伝えたい」ということは、マスコミで“伝える仕事”を希望することのきっかけとして話せますし、「みかん農家を訪ねて日本の労働問題や後継者不測の問題を知った」など、“好き”を通しての体験から話せることもたくさん出てくると思います。そしてこうした話こそ、面接官にとって強力な個性として認知され、「あ~あのみかんの子ね!」と面接官の間で呼ばれるようになってくるのです。

このように、なんてことのない話だとしても、突き詰めて考えることが大事です。マスコミ人として何を伝えたいのか、何を作りたいのか、できるだけ具体的に考えてみてください。単に「政治部の記者として、権力の監視をしたい」というよくある志望動機でも、そのために日々新聞を読み、国会中継を見て、学生時代からこの分野の研究をしていたとなれば、それは「政治記者になりたい子ね」と印象付けられるでしょう。

それ自体はありきたりな「好き」「こだわり」でも、突き詰めれば十分個性になり得るのです。

ただし気を付けたいのは、中途半端な「好き」「こだわり」では説得力を持たせられないということです。面接で突っ込まれて答えられないなんてことがあれば「そんなに好きでもないじゃないか」と落胆させてしまいます。自分の発言に責任を持つ。当たり前のことですが、こうした一つ一つを徹底していくことの積み重ねが、マスコミ就活を勝ち抜いていくことのカギとなります。

“面白い”は“多義語”

就活において、こうしてご自身の存在を面接官に印象付けていくということは、”面白いやつだ”と思ってもらうことと、ほぼ同義だと思っています。でも、この”面白い”は、決して一面的な意味合いしか持っていないわけではありません。

特にテレビ局が顕著のように思いますが、マスコミ業界は、”面白い人”が入る世界だというイメージを持っている人も多いようです。これは半分正解で半分間違いといったところでしょうか。「面白い」には色々な意味があり、「funny」「humorous」「entertaining」だけでなく、「interesting」でも良いのです。実際、マスコミ各社には本当に色々な人がいて、一見すると暗そうな人だってたくさんいます。それでも、どこかに光るポイントがあって入社しているのでしょう。無理にその業界に合わせたキャラづくりをするのではなく、自分らしさを自分らしく伝えていくことこそが大切だと思うのです。

具体的な「企画案」で、活躍できるイメージを持たせる

差別化を図る上でもう一つ強力な武器になるのが、「企画力」を示すことです。「どんな番組つくりたい?」「どんなテーマで誰に取材をしたい?」「10万部売れる本のアイデアはある?」こうした企画力を問う質問は、どの会社でも必ず聞かれますが、必ず聞かれるくらい重要な質問だからこそ、ここで響く企画を伝えられれば大きなポイントになります。「どれだけ本気でうちで働くことをイメージできているか」「どれだけ活躍してくれそうか」が、この質問ですぐにわかってしまいます。準備次第でいくらでも対策ができる企画案は、ぜひ練りに練っておきたいところです。

「良い企画の作り方」は、やはり一概に言えることではないですし、考え方はネット上で様々な意見が上がっていますから、まずはそうした情報のインプットをしてみてください。

ただ、ここで一つ挙げておくとするならば、「人に意見を求める」ことです。自信のある企画ができても、第三者から見るとなんでもないこともあり、その逆もまた然り。思わぬ方向からの意見がもらえるかもしれません。できればOB訪問や業界経験者に直接頼めればそれに越したことはないですが、難しければ家族や友人でも良いので、必ず他者の目線を取り入れることを忘れないようにしてください。独りよがりで明後日の方向に進んでしまうことほど怖いものはありません。

 

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