多くの面接の終盤で受ける「逆質問」ですが、皆さんしっかり準備はしていますでしょうか。自分の関心ごとを質問という形で示すことができるこのやりとりも、当然大きなアピールポイントとなります。そのときの面接の流れを汲んだ上で質問できればベストですが、いずれにせよ、事前にいくつか考えておきたいところです。
フェーズごとに聞いて良いことは異なる
まず注意したいのは、何次面接かによって、聞いて良いことは異なるということです。よくある失敗が、自分の志望部署に関する質問をして、面接官に該当する人がいないというパターンです。その会社にもよりますが、一般的に序盤の面接では志望部署とは関係なく中堅社員の面接官が振り分けられているので、営業畑の面接官に文芸のことを聞いても、バラエティ番組の制作をやってきた人にイベント事業のことを聞いても、「やったことがないので・・・」という回答になってしまうことが多々あるわけです。
ですから、1次や2次面接など序盤の面接では、部署にとらわれない、会社全般のこと(=どの社員でも答えられること)を質問するのが良いでしょう。それでも、業界全体での課題である「デジタル化」など、聞くべき話題はたくさんあると思います。自分の志望分野に関わる具体的な質問は、もう少し選考が進んだときにとっておいたほうが良いと思われます。
なお、新聞社やNHKのように業種別の採用を行っている場合は、大別すると自分の志望する業務をしている人が常に面接官となると思われるので、上記ほど気にしすぎる必要はないでしょう。それでも、やってきた仕事は人それぞれですし、具体的な分野などは自分の志望とは全く異なることも十分考えられます。大事なのは、面接官がどんな人なのかを想像して、逆質問を考えるべきだということです。
対話を重視する
もう一つ意識したいのは、一問一答ではなく、しっかり自分が納得するまで会話を行うことです。
例えば、友人に「何かおススメの漫画ある?」と尋ねたときを想定してみてください。
「『カラオケ行こ!』っていう漫画がおもしろいよ。最近色々賞もとってる漫画家が書いててさ!」
と言われて、それで会話が終わることはなかなかないですよね。
「どんな話なの?」
「何ていう作家さん?」
「何巻位出てるの?」
など、何かしら追加で話が進むのが自然だと思います。
「カラオケ大会で何としても勝ちたいヤクザが、合唱部の中学生に歌唱指導を頼むんだけどさ・・・」
「和山やまっていう若い漫画家さんで、『夢中さ、きみに。』っていう作品はAmazonで1000以上口コミがついているよ」
「1巻だけだから気軽に読んでみたら?」
など、会話が進むにつれて、あなたが本当に得たかった情報が引き出されることと思います。
面接も同じで、きっと一問一答では、得たい回答まで一発でもらえることはなかなかないと思います。本当に知りたいことであれば、「~ということですか?」などと多少やりとりが発生するのが自然だと思うのです。そして面接官側も、そういった受験生には「ちゃんと理解しようとする姿勢」を感じることと思います。その場しのぎの逆質問だと思われるより、はるかに好印象だといえるでしょう。
面接は、会話の中で相手を知るという行為であって、機械的な回答をしないといけないなんてルールはありません。相手との対話であることを忘れないようにしてください。
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