就活で求められることのある「大学の成績証明書」。
成績が悪いとやばい?
評価にどれくらい影響するの?
なんて懸念をお抱えの方へ、建前ではない実態についてお伝えしていきます。
成績証明書はなぜ求められるのか
特に大手企業や公務員試験では成績証明書を提出するケースがよく見られます。
選考の終盤や、内定が出た後に提出を求められることが多いですね。
ではなぜ企業が成績証明書の提出を求めるのかというと、「とんでもない成績ではないか」「きちんと卒業してくれるか」「面接で話していな内容にウソはないか」ということを確認するために他なりません。
逆に言うと、「学校の成績から学力を判断したいから」という意味はほとんどないと言っていいでしょう。
企業側が大事にしている要素を、選考の終盤でチェックすることは基本的にはありません。
ウェブテストや筆記試験で、最低限の学力、時事、一般教養などを確認し、エントリーシートと面接で人物像や将来性、現時点の能力などを判断し、自社にふさわしい人を採用しているわけであって、本当に大学での成績を評価軸に加えたいのなら、終盤や内定後に提出を求める必要はないはず。
つまり、最低限の確認の意味しかないからこそ、そのタイミングで求めているという話なんです。
成績証明書で企業側が確認したいこと
では、最後の最後に企業側が成績証明書から確認したいことって、どこにあるのでしょうか。
とんでもない成績ではないか
まずは、「とんでもない成績ではないか」という、念のための確認は挙げられます。
どれだけ人物的に優れていたとしても、目を引くレベルに悪い成績だったとしたら、企業からしたらその理由くらいは一言確認したくなるのも当然ですよね。
とはいえ、単位がしっかりとれているのであれば、いくら成績が良くないからといって、即座に内定を取り消すなんてことは基本的にありえません。ウェブテストや面接内容などから、企業が必要とする学力や知力(あるいはそもそも重視していないことも)は既に確認されているわけですから、大学の成績が良い・悪いで内定に影響するなんてことは、まともな会社であればないと考えてよいでしょう。せめて確認が入るくらいで、私たちはその理由を堂々と説明すればいいのです。
きちんと卒業してくれるか
上記に関連しますが、「きちんと大学を卒業してくれるか」という確認の意味もあります。
日本では「○○年入社」を前提とした一括採用が行われている以上、当然ながら、その年に予定通り入社してくれないと、企業側は困るわけです。
これを確認するには、大学側が公式に発行する成績証明書を確認するのが最も合理的だし一般的です。人事部がそこまで詳細に確認するというほどの書類でもないのですが、最低限卒業はしてくれるか、ここで確認するんですね。
面接で話していな内容にウソはないか
「成績がオールA+でした」なんて話す就活生はなかなかいないと思いますが、これまで面接で話してきた内容に大きな矛盾がないかは見られているといっていいでしょう。
実際はそこまで細かく見られるものではないのですが、その受験者を評価していたポイントが根底から崩れるような要素が成績証明書から一目でバレてしまうようなことがあれば、さすがに企業側も見過ごすわけにはいかない可能性も出てきます。
核心的な部分に大きな影響を与えるようなウソでもない限りはそこまで気にされることはないと思われますが、まあ、「バレるウソはつくな」という当たり前の話ですね。
成績証明書は余裕をもったご準備を
最後に、成績証明書は、必ずしもすぐに発行できるとは限らないという注意事項もお伝えしておこうと思います。
大学によっては発行に数日から1週間程度の時間がかかることがあるため、必要になったときにすぐに入手できるとは限らないんですよね。
大学の事務窓口やオンライン申請で行うのが一般的ですが、繁忙期には申請が集中し、通常より時間がかかることがあります。特に、就職活動が本格化する時期や卒業間近の時期には、多くの学生が一斉に申請するため、発行までに通常以上の時間が必要になることも珍しくありません。「前はすぐに出てきたのに……」ということも考えられますから、早めに確認し、余裕をもって取得することが重要ですね。
あるいは、海外留学や大学院進学などで英語版の成績証明書が必要になる場合は、通常の日本語版とは別に手続きが必要となるため、さらに時間がかかる可能性があります。
いつ取得したもの?有効期限にも注意
成績証明書の有効期限にも注意が必要です。企業によっては「発行から3か月以内のものに限る」といった条件を設定していることもあるため、あまりに早く取得しすぎると、いざ提出する際に期限切れになってしまうことがあります。必要なタイミングを見極めつつ、計画的に準備を進めることが大切です。
まとめ
というわけで、「評価にも影響する重要な書類です!」なんて的外れな話が蔓延っている現状を踏まえ、成績証明書の“建前ではないお話”をお伝えしました。これからまだ面接が残っている方は、何より本質的な対策に全力を向けるようにしてください。
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