エントリーシート(以下ES)は、”通過すること”を目標に書くのではなく、面接でのやりとりを充実させることを想定して書くものだというお話をしました(【エントリーシート】「通過」が目的ではなく「面接」を想定した内容に!)。
ここでもう一つ気を付けたいポイントは、「硬い話題」と「軟らかい話題」をバランスよく入れ込み、緩急をつけるということです。
真面目で硬い話題ばかりになっていると、面接でも必然的に硬い質問が多くなり、人間味が出づらくなる可能性があります。逆に、例えば男性の書くESに
「趣味:女性誌を読むこと」
などという記載があると、硬い話題の続く面接でも、お互いに明るい話に移行するフックができ、一笑いとれるきっかけになります。これは本当に大きいことで、面接官からすると退屈な面接が続く中でこうした楽しいひと時があるのはある意味で救いとなりますし、やはり一緒に働いて楽しい人だというイメージが与えられます。また、硬いやり取りの中で人間味のあるやりとりが入ることで、受験者がどんな人物なのかという理解がグッと深まるのです。こうした、面接官がいじりたくなるポイントを、ふざけているとは思われない範囲でちりばめておくことは強い武器になるでしょう。
笑いに繋がるものでなくともOKです。例えば、過去の悲しい体験が原体験となる志望動機や、悔しい経験から学んだ“ガクチカ”(=学生時代に力を入れたこと)などが並ぶと、全体的に重いトーンのESになります。そこで、他の記述欄では「楽しかった経験」を書いてバランスをとるようにしたり、「好きなもの」をアツく語ってみたりすることで、ESから見えるあなたの印象はだいぶ変わってくることと思います。こうして緩急のついたESになっていれば、自然に硬・軟どちらの話題も出てくるようになり、人間性をより深い次元まで伝えられることでしょう。
逆に、真面目さが伝わらないレベルに軟らかいものはアウトです。マスコミ人は、どんな業界の人でも“根は真面目”。真面目でしっかり考えていることが分かる内容がベースになっていることが前提であることは忘れないようにしてください。奇をてらってふざけ倒した内容のESでも通過することもありますが、最終的に内定をもらう人は、皆根底の真面目さが伝わるものになっているかと思います。
“努力”は適切に配分しよう
いくつかESを書く上での意識したいポイントをお伝えしてきました。やはり忘れず意識してほしいのは、ESは通過することを目指して書くのではなく、面接を意識して書くということです。自由度が高く、また身近な人の協力を仰ぐ場合は恥ずかしさを伴うこともある面接対策は、何となく後回しになり、結局準備不足に陥りがちです。その点ESは取り組みやすいため、何となく「頑張ってる感」を得られやすく、ここばかりに時間をかけてしまう方も多い。ですが、ES自体のクオリティ向上ばかりに気を取られすぎず、面接の準備に時間をあてることも、大事な戦略の一つです。「通過するためのES」ではなく、「内定をもらうためのES」を書いていきましょう。
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