男性の就活「長めの髪型はどこまで許されるか」建前と実態

就活が始まると誰しも気になるのが、髪型の問題です。

「就活アドバイザー」的な人の話を聞くと、たいてい「短くしておきましょう」という話になってきますが、就活生の全員に短髪が似合うわけでもないですし、少し長めの方が自分に合っているという人もいるでしょう。単純に「就活だからと言って、できれば短くしたくない……」という人だっていると思います。

今回は、そんなお悩みをお抱えの方に、「就活髪型論」の建前と実際のところをお伝えしていきます。

※参考記事:【面接が苦手な方へ】“凡人”が志望企業に受かるための「面接攻略の全て」

就活の髪型「男の長め」を避ける風潮

「短髪」が求められる理由から考える

巷では皆口をそろえたように「髪は短く」と言われるのは、なぜなのでしょうか。

これは、一般的なビジネスシーンにおいて、「清潔感」が必須事項とされているからです。

清潔感という言葉の厳密な定義や、なぜ清潔感が大事なのかという話はここでは省略しますが、長髪になればなるほど清潔感とは乖離が出てきやすくなるのは、皆さまイメージできるところでしょう。

また、これは精神論的な部分になってしまいますが、日本という国では伝統的に、「男性=黒髪・短髪」というのがベースにあり、その上で、髪を染めたり、伸ばしたりすると、奇抜なイメージにつながっていくというわけです。

そのような世の共通理解があるからこそ、面接という非常にフォーマルな場で、かつ社会人への第一歩ともいえる場において「長髪」が現れると、どこか尖った印象を与えかねないということなんです。

もちろん、いわゆるロン毛の人が面接を受けていても、業界によっては全く抵抗をもたれないということもあるでしょうし、また固い業界だとしても、面接官を納得させられる理由がきちんと説明できれば、全く問題はないでしょう。

ただ、そもそもそれが気にされない業界はごく少数ですし、また面接官とのやりとりを通して納得を得られたとしても、時間が限られた面接の中で、その“誤解”を解くためのやりとりに時間を費やしてしまうのは良策とはいえず、何より面接官全員があなたの説明に納得してくれる保証もありません。

必ずしも長髪が受け入れられないというわけではなく、「なぜ面接という場にわざわざ長髪のままやってきたの?」という“ひっかかり”が、アピールの邪魔になってしまうということです。

就活でNGな髪型は?

上記を踏まえると、単純に「一般的な社会人」として想像される像から乖離がある髪型は、基本的にNGということになるでしょう。

“ロン毛”に加え、髪を染めていたり、パーマを当てていたり、あるいは、いわゆるマッシュ系も、“おしゃれ優先感”が出ていますから、基本的にはNGということになってきます。

ただし、何度も“基本的には”という言葉を使ったのは、業界によっては髪型の自由度が高いところもあるからです。

まして、昨今では有名企業でも、「自分らしさを重視してほしい」というところが出てきていますよね。

こうした企業をどう判別していくか、企業ごとに髪型の許容度合いをどう判断していくかは後述していきます。

なお、本記事では、そのような髪型の自由度が高い企業は、いわゆる「一般的な就活」とは少しズレる世界観があるもの(悪い意味ではなく)として考えていきますので、あらかじめご了承ください。

 

就活の髪型「男の長め」はどのくらいまで?

こうした前提の上で、「どのくらいの長さまでなら気にされないのか」ということを考えてみましょう。

こればかりは私の主観も多分に含んでしまいますが、複数年の就活経験や、マスコミ業界のほか、金融などの固い業界からも内定を得た経験を持ち、あるいは多くの就活生からのヒヤリングを重ねてきた立場から申し上げると、以下のようなイメージです。

舞プロモーションHPより(http://www.my-pro.co.jp/aa/takahashi.html)

こちらの高橋一生さんくらいの長さは、一般的な就活において全く問題ないでしょう。ただできれば、整髪料で整えて、耳を出したり、前髪を上げたりしたいところです。その方がビジネスマナー的な意味での「清潔感」が増します。

 

映画ナタリーより(https://natalie.mu/eiga/artist/62456)

こちらの山崎賢人さんだと、さすがにちょっと長いかなという感じはしますが、整髪料で耳を出して前髪をあげれば、問題ない状態になるのではないかと思われます。

 

吉本興業HPより(https://profile.yoshimoto.co.jp/talent/detail?id=213)

こちらの大吉さんの方の髪型も、ぱっと見でさわやかなイメージは持たれるのではないでしょうか。親御さん世代だと、これくらいでも「これで面接に行くのか!」という思いは持たれる方もいるかもしれませんが、わざわざ面接の場でマイナスイメージに繋がるほどではないでしょう。

長めが許される業界・企業かどうかの判断材料

ざっくり、令和の就活における髪型事情のリアルについてお伝えしましたが、業界や企業によって、その基準が異なるのも事実です。

一般的に、金融業界をはじめとしたカチッとしたイメージのある業界や、営業職での選考の場合は、基本的には短くしておくのが無難とされている一方で、テレビや広告代理店、その他“働きやすさ”を謳うスタートアップ系の企業の場合は、「どうぞご自由に」という風潮があるとされています。

ですが、企業ごとに「どれくらいまでなら問題ないか」と考える判断材料としては、これらの「イメージ」や「風潮」よりも、採用サイトにある社員の髪型を見るのが良いと思われます。

まさに自分が入ろうとする社内では、どのくらいの髪型まで許容されているのか、またはどのくらいの髪型の人が多いのか。多くの社員の素顔が掲載されている採用サイトからは、そういったリアルな部分が見えてくるはず。特に、自分の希望する職種の人の髪型は注意深く見ておいて良いかもしれません。

もちろん、「社員でロン毛がいるから自分もロン毛でいいか」という単純な話ではありませんが、例えばロン毛に囲まれた会社の場合、最終面接に出てくる役員らも、ロン毛に見慣れているがゆえに、受験生のちょっと眺めな髪型なんて全く気になることはないでしょうし、そもそも職場でそれくらい許されているなら、髪型は本当になんだっていいと考えているかもしれません。

とまあ、このあたりは想像になってしまうのですが、ここで言いたいのは、実際の社員の髪型を見れば、その会社の髪型へのおおまかな許容度がわかり、一つの参考情報にはなるということです。

髪型で落とされることはあるのか

仮に、面接官に抵抗を抱かれるような長さの髪型で面接に臨んだ場合、それを理由に落とされることがあるのかということにも言及しておきます。

端的に申し上げると、「よほど奇抜でもない限り、髪型で落とされることはないが、面接官の深層心理に作用している可能性はある」ということになるでしょうか。

面接は、あくまでも受験者の本質を見極める儀式です。例え長い髪型で抵抗をもたれたとしても、よほど奇抜で「なんだこいつ」とでも思われない限り、面接官は髪型なんかを理由に貴重な人材を間引くことなんてしたくないのが実情です。

ただ、どこかで抵抗をもたれたままだと、それが面接官の潜在意識の中に埋め込まれ、受験者の話す内容とあわさって、「ちょっと誠実さに欠けるな」などと判断されることに繋がる可能性は、なきにしもあらずとは言えるでしょう。

逆に言うと、「その程度」ともいえるかもしれませんが……。

よほどのロン毛ではない限り、抵抗のある短髪にしてストレスを抱えるくらいなら、上記で挙げたような「少し長め」くらいにして、自分らしく戦った方が良いとも考えられるでしょう。

最後に

と、ここまで「長めでも大丈夫」的な話をしておきながらですが、短くしておけば、上記のような余計なことを考える必要はないわけですし、皆さまの親御さん世代の多くは、「短くしておきなさい」と言うことでしょう。

一昔前の面接よりも、多少髪型の厳しさは緩和されてきているとはいえ、選考の終盤の面接官とも世代が重なりうる親御さんが「長め」に抵抗を持たれるということがあるならば、最終面接の面接官も同じ印象は抱きかねないということです。

選考にはそこまで影響を与えないことになっているにしても、「マイナスとなる可能性はわずかでもあるなら排除しておきたい」という気持ちがあれば、短くしておくことが無難であることは申し添えておきます。

ちなみに私は、上記で「許容される例」として紹介した芸能人の方々と同じくらいの長さでふつうに内定を得ています。

皆さまのご参考になれば幸いです。

※肝心の面接対策はこちらの記事から。

【面接が苦手な方へ】“凡人”が志望企業に受かるための「面接攻略の全て」

 

 

 

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