出版社 内定のツボ②「好きな本は?」「作文試験」をうまく切り抜ける方法

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出版社 内定のツボ① 2種類の“差別化”とデジタル戦略

前回のこちらの記事では、出版就活における”差別化”というものの考え方についてお伝えしてきました。

今回は、もう少し各論的なお話を。

出版就活で避けて通れない「好きな本は?」「最近読んだ本は?」という質問や、「作文試験」などをどう切り抜けるか、邪道なテクニック的なところも含めてお伝えしていきます。

 

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「好きな本は?」への回答

”こだわり”が伝わるように

まずは出版社において必ずといっていいほど聞かれる「好きな本は?」という質問。頻出の質問でも、出版社を本気で目指している人間かどうかがよくわかる、重要度の高い質問です。

ここでフワフワした回答しかできなければ、評価が下がってしまう可能性が高まります。とはいえ、本当に素直に好きな本を素直に伝えるだけで良い評価がもらえるような人ばかりではないでしょう。「誰よりも本を読んでいる」という自信がある人でない限りは、綿密に回答を考えた上で答えるようにしましょう。

そこで大切な軸となるのは、「好き」や「こだわり」をしっかり伝えることです。なぜその作品が好きなのか、あるいはなぜその作家さんの作品が好きなのか、具体的に、かつ自分なりの切り口が欲しいところです。

「自分なりの切り口」というと難しく聞こえてしまうかもしれませんが、「なぜ好きなのか」ということを聞かれている質問なので、必ずしも書籍が社会に与えている影響等まで深く考察する必要があるわけではありません。好きになるきっかけとなる体験があったり、自分の境遇に当てはまる部分があったり、自分にとって大切であることが伝われば、それだけで立派な理由になります。

大事なのは、「本当に好きなんだな」と思わせることです。それがちゃんと伝わるなら、”模範解答”的なことを言わないといけないわけではないのです。

 

類似作品は必ずチェック

ただ一つだけ気を付けたいのは、「自分の好き・こだわりには責任を持つ」ということです。本当に好きだったら、同じジャンルの作品、あるいはその作家さんの他の作品などは、当然おさえておかなければなりません。出版社の面接において、ここは深く追及される可能性が高い一方で、もしボロが出たら致命傷にもなりかねないところです。好きというからには、その周辺のことまでしっかり答えられるようにするというのは、大前提であり、「好き」という言葉への責任ともいえるでしょう。

 

受験企業の本を挙げる

半ば前提的なものでもありますが、「好きな本」と聞かれたら、やはり受験している企業の出版物を挙げたいところです。好きな本として最初に出てくる本が他社の出版物であれば、「じゃあそっちの方が志望度が高いんじゃないの?」とあらぬ疑いが生じてしまいかねません。もちろん、そこで「いや、御社が一番なんです!」という説明を切り返せればそれでもいいのですが、他社の本を挙げたことによって、余計なやりとりが生まれているともいえます。面接は本当に限られた時間の中で行われるものですから、わざわざ面接官に疑念を生じさせて、それを打ち消すやりとりに時間を使うのは、もったいないようにも感じるのです。

あえて他社の本を挙げて、それをもとに受験企業の志望度の高さを伝えることができるのなら、それも一つの手でしょう。ですが、現実としてなかなかそれは難しい。となると、よほどのこだわりがない限りは、受験企業の本を挙げておく方が、無難といえるわけです。

 

「最近読んだ本は?」の切り抜け方

意外に難易度の高い質問

これも定番の質問です。回答によって、本当に本を読んでいる人かどうかが、ある程度見えてきます。

出版就活に臨む人の中には、当然読書好きな方は多いでしょう。しかし、その中でも、「読書好きを公言できるほどではない」という方もきっと多いことだと思います。

ですから、ここではあえて”切り抜け方”という言葉を使っています。悪い言い方をすると、読書量がバレやすい質問でもあるので、そのあたりに少しでも不安をお持ちの方がいたら、参考にしていただけたらと思います。

 

まず、この質問に対して、言い訳がましくよく言われるのが、「就活で最近は読めていません」。

これ、出版社の社員が一番嫌う回答だと思います。本当に好きだったら忙しいときでも読むでしょうし、出版社に入りたいと言っているのに読んでないということには、矛盾に近いものが感じられます。たしかに、現実問題として、就活中は読む時間があまりとれなかったり、そもそもそれほど本が好きなわけじゃないけど内定がほしい!という方もいるでしょう。それは別に悪いことではありません。しかし、この質問には、ウソでも「あまり読んでない」とは答えてはいけませんし、そう思わせてもいけないのです。

 

就活中でも継続的に読書をしている人は、最近読んだ中で、ご自身の志望部署に近い本を挙げれば、面接官としても安心して話が聞けることでしょう。よくある「他には?」「〇〇のジャンルだと読んだものある?」という追加質問にも、難なく答えられることだと思います。

しかしながら、そうもいかない受験者も多いことでしょう。それでも、1、2冊くらいなら良い回答を用意できると思うのですが、「最近読んだ3冊を挙げて」「ノンフィクション系だと何かある?」「うちの文庫で何か読んだものは?」などと切り口がついてくると、スムーズに返すのはけっこう難しい。あるいは、本当に読んだものがあったとしても、瞬時にそれを記憶から取り出して答えるというのは、なかなか簡単にはいかないものです。

そう、この「最近読んだ本は?」系の質問は、あらゆる角度から聞かれる可能性があり、また追加質問が出てくる可能性があるので、まして即座に回答するというのは意外に難しいのです。

 

本を読まないで対応する方法

そこで、一つ邪道中の邪道なテクニックをご紹介。

まずは、様々なジャンルごとに、「最近読んだ本」として回答に使えそうな本をいくつかピックアップしておきましょう。そして、すべてを面接までに読み切るのが難しい方向けにお話しすると、それらすべてを購入し、常に目に入るところに置いておきながら、タイトルとあらすじおよび”好きポイント”だけを暗記しておくのです。

タイトルとあらすし、好きなところを暗記しておくというのは、付け焼刃の対策として定番だと思いますが、購入して、目に入るところに置いておくというのがポイントです。

もう少し具体的にお話しします。

まず、「最近読んだ本は?」と聞かれて、あなたにとってアピールにつながりそうな本を考えておきましょう。文芸系の志望であれば、そういったジャンルで、かつご自身の好きな作家さんの本や、同系統の本などを答えれば、自然な受け答えになるでしょう。ノンフィクションや新書でも、ご自身が注目しているテーマ、注目している社会的課題などに沿った本を選ぶようにすれば、面接官から見ても、一貫したキャラクターが見えてくるでしょう。

極端な話、「ファッション雑誌をやりたい」と言っている人が、「最近読んだ本は北方健三さんの〇〇です」といったら「なんで??」という話になりますし(ここで興味深い回答ができたら逆にプラスになりますが)、「最近読んだ本は村上春樹さんの新作です」といっても、特に伝わることはないでしょう。もちろん、読んでいる幅の広さを見せることも大事ですが、それ以上に一貫した人間性だったり、こだわりのある面だったりを見せる方が重要度は高いです。面接官としても、「読書の幅が狭いのではないか」と気になるようだったら、必ず「他に〇〇のジャンルで読んだ本はある?」などという質問をしてきます。ですから、まず第一の回答は、アピールしたい“自分像”にあった回答を心がけるようにしましょう。

ただこの質問、既述の通り、「一冊答えて終わり」ということはなかなか考えづらいです。「ほかには?」「〇〇のジャンルでは?」などと、様々な角度から聞かれることは想定しておくべきです。

そこで、ご自身のエントリーシートから、どんな角度から聞かれそうかを想定しておいて、それぞれ何を答えるかを考えておくのです。しかし、「全てを読む時間はないけど、読んでいないからこそ面接で聞かれたときにパッと頭に浮かんで瞬時に答えるのはなかなか難しい」というジレンマが発生します。

だからこそ、買うのです。お金を払って買った経験だからこそ、その本は記憶に残りやすい。そして、それを家の中で常に見えるところに置いておくことで、日々頭に刷り込まれていく。当然、ざっと目を通したり、ネット上の書評などを見たりして、あらすじや、「ここが好き」という回答を用意しておく必要はあるのですが、こうして頭にイメージを残しておくことで、「用意していたけど思い出せない」という事態を防ぐのです。ただ調べて、回答を用意しただけの本だと、なかなか自分のものとしては定着しません。原始的な方法のようですが、侮るなかれ。受験する出版社の数が多くなると、何でもかんでも買うというのは難しいかもしれませんが、人生の方向性を大きく変える就活ですから、ここにある程度の出費はあっても良いのではないかと思っています。

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作文試験をどう突破するか

出版社を受験するにあたって一つの大きなハードルとなるのが、筆記試験。その中でも、どう対策したらいいのかがわかりづらく、差が付きやすいのが作文試験でしょう。これについては、いくつか記事をご用意していますので、以下を参考にしてみてください。

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